営業ができない男はダメだ と言われ続けた

西山はるか
営業マンという仕事は今後二度としたくない・・・

私はかつてブラック企業の営業マンでした。

毎日残業は当たり前、残業代は出ないし、並の給料しかもらえないのにスーツはお洒落にしないと怒られる。無益な飲み会にもよく行きました。もちろん自腹です。

半年で辞めて会社には多大な迷惑をかけてしまいました。

しかし、その会社で得たものは大変大きく、結果的には働けてよかったなと思うんですね。

その得たものというのは、「営業力」です。

上司はいつも「営業ができない男はダメだ」なんて言ってました。

しかし今思うとその気持ち、少しわかる部分もあるんですよね。

営業ってなんなのかを考えていきましょう。

営業?知らない言葉ですね・・・

私は学生の頃「営業」がなんなのかよくわかっていませんでした。

飲食店が「営業中」って看板をぶら下げているイメージしか無くて、しかも自分には一生縁のない言葉だと思っていました。

だんだんと重くのしかかり始めたのは就職活動の時です。

ぐうたらな私は周囲が焦っている中全く努力せず、風が冷たくなってきた頃にやっと求人サイトを見始めたんです。

学生の頃から目標を持って行動しておかなければいけないと思う

その頃にはもう楽しそうな企業はだいたい求人を出していません。

画面にズラーっと並ぶのは

SE

販売員

施工管理

営業

ばっかりでした。

どれもよくわかんなくて、そしてつまんなそうでした。

だからと言って私はやりたい仕事なんて特にありません。どうやって選べばいいのかさっぱりわからない。

だからもう消去法です。

SE→よくわかんない。なんて読むの?システムエンジニア?パソコン苦手だからやめとこ。

販売員→社会人になってまで立ち仕事したくない。却下。

施工管理→工事現場で仕事でもすんのかな?汚れるのいやだ。却下

営業→うーん物を売る仕事?よくわかんないけどこの中なら一番マシかなあ

そんな感じで営業職の面接を受け、一発で合格して入社しました。

一応面白そうな仕事だったんです。

世界的にも珍しい商品を扱っている最近できたベンチャー企業で、そこなら楽しくやれるんじゃないかと・・・

しかしそこは地獄でした。

「営業」ってなんなのか

営業とは、ズバリ何かを売る仕事です。

一般的にサラリーマンとかセールスマンとか言われるのがだいたい営業です。営業マンです。

そして世の中にある会社のほとんどに営業担当が存在します。

なぜかというと「物を売る」というのは商売の原則中の原則だから!

物を売る以外のお金の稼ぎ方って多分存在しないのではないでしょうか・・・?

等価交換の法則に乗っ取ると、必ず代償を支払ってお金を得ることになります。

社会人を経験していない学生たちは、基本的にお店で物を売っている様子しか見たことが無いと思います。

でもその裏では営業たちがとんでもなく頑張っているんです。

例えばTポイントカード。

今では一般的でよく見かけますけど、昔はそんなことありません。

Tと書かれた怪しいカードをお店に導入するなんて、私だったら断ります。

私みたいに、「いいよポイントカードなんて入れなくても・・・そんなんでお客さん増えるわけ無いじゃん」とゴネる人たちに

「お願いします!Tポイントはこれからどんどん広まります!お客さん増えるんで!導入してください!」

と頭を下げまくる。

これが営業のお仕事です。

ちなみに私のおじいちゃんは若い頃トイレのジェットタオルを売る営業マンでした。

現代には無いと困るレベルの商品ですが、昔は全然売れなかったそうです!!

本当に営業って大変ですよね!!

こんなに辛い仕事ですが、やるメリットはあります。

それはお金が直接稼げるということ。

私は今の会社ではグラフィックデザインをやっていますが、仕事は営業が持ってきてくれます。

営業が電話・ネット・外回りで売り込みをしてデザインのお仕事をもらってきて、それを私に依頼する。

そして私が指示通りにデザインをして営業さんがそれを客に渡す。

→お金がもらえる

この場合、営業マンはお金を稼いできたので成績が上がります。頑張れば給料も上がるでしょう!

しかしデザイナーである私はデザインを担当したものの、直接的にはお金を稼いでいません。

「え?なんで?デザインしたじゃん」と思うかもしれないですけど仕方ありません。これが社会というものです。

私が絵を描く、営業の仕事はお金を稼いでくることです。

だから、ひたすらお金が欲しかったり、自分の力で稼ぐ技術を学びたい人は営業マンを志望することもちょくちょくあります。

女性の平均年収は低めですが、保険の営業ウーマンなんかはバリバリ稼いだりしていますね。(もちろんウデのある人限定)

ちなみに最近営業力を感じるのは「プレミアムソフト クレミア」

最近飲食店なんかでちょくちょく見かけません?

多分これも営業マンがめっちゃ頭下げて

「クレミアをあなたのお店で販売させてください!美味しいですから!」

って頑張ったに違いありません・・・・。

私が飲食店オーナーだったら絶対に

「機械が場所取るしうちはアイス屋じゃないし500円のソフトクリームなんて高くて売れるわけねえだろ、このコーンなんてどうやって管理しろってんだよ」

って言って追い返します。

営業マンほんとすごい・・・泣

営業をするためには自分のナレーター事務所が必要

営業の仕事は地獄だった

さて、私は世界的にも珍しい商品を売りつける仕事についたのですが、なんとまあ怪しいものでした。

エアコンに取り付けると電気代が下がる魔法の板です。1つ20000円。

これを例えば飲食店なんかに取り付けると、だいたい10個くらい必要です。

さらに工事費とか電気の計測とか色々する手数料を足すと、お値段合計30万円ほど。

高すぎワロタ

電気代が毎月1万円下がったとすれば30ヶ月でリターンが取れますよ〜みたいなことを言って紹介します・・・。

本当に辛かったです。売れません。

ただ上司たちは見事にこれを売ってみせるんです。

社長に関してはフロリダの超有名ホテルとの契約まで勝ち取りました。

多分500枚以上は売れたんじゃないでしょうか・・・?

でも私にはそんな芸当とてもできません。

そもそもこの商品で電気代が下がるなんて信じてないので尚更売れません。

「電気代下がりますよ!」って言わなきゃいけないのに「電気代下がるらしいです!」って言ってしまう・・・。上司によく叱られたものです。

上司に教わったこと

この仕事、まずはどこに営業かけるかをリスト化しないといけません。

こういうリストは10万円くらいで売ってるので買うのが一般的ですが、私の会社は出来たてなのでお金がありません。

だから自分で作ります。

ネットで様々な企業を検索して住所や電話番号をエクセルに打ち込んでいく。

これを毎日200件くらいやってました。

パソコン音痴の私には苦行でしかなかったのですが、上司にとにかくショートカットキーを駆使するよう叩き込まれました。

そのおかげでパソコンが苦手じゃなくなり、後にエンジニアの資格を取れるまでになりましたw

ショートカットキーは世界観変わります!イラレやフォトショも使いこなせるようになるので覚えましょう!!

イラレを使いこなしてデザイナーになってみよう

さあリストを作ったら電話をかけます!

私「お世話になっております。私株式会社〜の明後日キララといいます!」

客「お世話になっております〜」

私「エアコンの電気代下がる商品売ってるんですけど、どうですか?」

客「あ、いりません〜」

終了

普通に電話するとこうなりますよね。

だからそうならない技術を徹底的に叩き込まれました。厳しすぎて会社で号泣したこともあります。

でもその甲斐あって電話営業がめちゃくちゃ得意になりました。

商談なんかもするのでメキメキと成長し、私もなんだかんだ立派な営業マンになれたと思います。

辛かったですよ・・・。

つまらないオジさんの機嫌取るために飲み会しましたし、ビール瓶のラベルが上むいてないと怒られましたし、人によってはゴルフも付き合わないといけません。いつの時代の話だよ。

「明後日キララ、お前も食え食え」なんて言われるけど常に空いたグラスとか料理の注文とかお皿並べたりと気を遣わないといけないし話も聞かなきゃいけません。

相手が話をしてる時に食事をするのはマナー違反らしいので、これもうご飯食べる時間が存在しません。

カラオケでお尻出して踊らされたりワイシャツをビリビリに破かれたこともあったなあ・・・。

もう2度と営業マンはやりたくない!!

営業のコツ

お客さんの心を掴むにはどうすればいいのか?

まず一番は「会って話すこと」です。

電話をして押し売りしても絶対切られてしまいます。だからまずは、「説明をしたい」「ご挨拶をしたい」「最近ここのエリア担当になった」などといった言葉を使い、「この人は物を売りに来るわけでは無いんだな」と思わせます(笑)

そこから考える暇を与えず、「じゃあ明日の10時とかご都合いかがですか?御社の住所はホームページを見れば大丈夫ですね」という風に全てをセッティングしてしまいます。

これで会う約束は完了です

そして訪問し、商品の説明や相手の会社の事業内容を聞きます。

世間話をしたり、相手の事業に興味を持ったり、あの手この手で会話を弾ませましょう。

そんな感じで商談は終了です。

で、高確率で商談は成立しません。だって得体の知れない人や物にお金を払いたくないですから。

しかし、そんなのは当然営業がわもわかっているので、とにかく電話なり、立ち寄るなり、お土産を渡しに行くなどしてコミュニケーションを取り続けます。

そうすることでうまくいけば友達のような関係になれます。そしたらやっと、「明後日くんだから頼もうかな」という流れでお仕事がもらえるんです・・・!

これほんと辛いです!どんだけ頑張ってもダメな時はダメですから!

その代わり手っ取り早く利益を得られるのが営業マンですし、これは人生の上でも大切なことがたくさん詰まっています。

営業力に関しては多少アンテナを張りましょう。

営業できない男はダメだ

上司にいつも言われました。

「営業ができない男はダメだよ」

こんなの暴論ですよね・・・。

でも実は私、これに関しては共感できる部分あります。

確かに営業マンの仕事は地獄だったんですけど、でも夢を叶える上で大切なことがたくさん詰まっていました。

相手の話を聞く技術とか、自分の要求を通す技術とか、資料作りやプレゼンの能力や、お金の仕組みやパソコンの機能や・・・

きらびやかに見える「夢」も、地道で泥臭い作業無しには叶えることはできません。

 

私は子供の時から成績まあまあよかったんです。

絵画も適度にできるしアナウンスコンクールで優秀な成績を収めたりピアノ・フルート・柔道などなど教養もあって、友達にも「面白い人」って言ってもらうこと多くて、可愛い彼女もいました。

そう。ノリでなんとかなってたんです。イージーモードだったんです。

 

そんな私が会社で叩きのめされ、「ああ・・・自分ってこんなにダメな人間だったんだ。能力低かったんだ。」と気付いて、初めて真剣に、「じゃあどう改善すればいいんだ??」って考えることができたんです。

多分これは、営業マンになってお客様と関わることが無ければ考えることは無かったと思います。

今まで「覚えるのめんどくさいからいいや〜」と思えてたことも、「俺はもっと自分を磨かないとダメだ!」と思うようになって、勉強が大好きになりました。

おかげで大手のIT企業に転職できたし、その後も1週間でAdobe Illustratorをマスターし、未経験ながらもデザイナーに転職することができました。

自分で商売を始めてみて

さて、現在はフリーナレーターを目指して自分で営業をかけている毎日です。

もし営業を経験していなかったらこんな風に夢を追いかけることができなかったんじゃないかな・・・・?

営業できない男はダメ

こんなことは全然思いません。営業なんてしないに越したことは無いんです(笑)

ただ、何かしらの形で営業力を学ぶ機会は、男女関わらずあってもいいのかなーって思います。

好きなことでお金を稼ぐために!

ではでは

営業をするためには自分のナレーター事務所が必要

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西山はるか
会社員だったがうつ病で退職。 そこからなぜかプロナレーター・声優に。 しかしこれだけでは食っていけないと思い絵もデザインもド下手なのに経験者というハッタリをかまして、見事グラフィックデザイナーに転身。 その後さらに収益をアップさせるためにフリーランスエンジニアにジョブチェンジ。もうめちゃくちゃである。